ボロボロROLEXも、綺麗にしてから査定します!

retroのアフターサービス&販売前修理担当のバイヤー齊田です。

今回、弊社に【ROLEXなのに、他社買取店さんでは「ほとんど値段が付かない」と言われた時計があるんですが、retroさんで見て頂けますか?】と言うお問合せがあったので拝見したら、確かに、一目見ただけだと、ちょっとビックリする状態のROLEXが持ち込まれました。(ご親戚の方の遺品整理の際に出て来たそうです。)

よく、一般のお客様からは誤解されがちですし、ニュースの1コーナーや関東ローカル番組等でも「以前購入したROLEXにプレミアム価格が付き、買った値段より高くなった!」などというシーンがクローズアップされていますが、あれは正直、一部のスポーツモデルのみのお話だったり、多少TV演出もあるので、全てのROLEXが高くなっている訳ではありません。
またアンティークのROLEXに関しは、私もブライトリングという時計の日本正規総代理店で働いた経験があるので良く解るのですが、メーカーも日本総代理店も「過去の時計も大事には使って欲しいが、新しい時計も買って頂かないと困る」ので、発売後ある程度期間の過ぎたモデル(早ければ10年以上経過のモデル)は「正規総代理店では修理対応終了」している物もあります。そうなると、もはやメーカーから交換用新品部品は入手できないので、修理できなかったりします。

そういう意味では、この時計は確かにROLEXの定番モデルですが、全体的に傷や汚れがひどく、サビも出ているので、時計の修理面まで詳しくない買取会社さんでは【この状態では修理代が幾ら掛かるのか、そもそも修理出来るのかすらわからない】という見解から「ほとんど値段が付かない」という査定を出すことも理解できます。

しかし弊社では、お客様からご了承が得られれば、創業66年の老舗時計修理会社で磨いた修理技術を活かし、限られた査定時間の中でも、可能な限り綺麗にし、内部も修理した状態で査定しますので、査定金額も大きく変わってきます。まずは、こちらの時計を部品単位で見ていきましょう。

まず、ベルト・ケースの汚れと腐食が酷く、ガラスも傷だらけの状態です。時計も動いていないので、この状態では、いくらROLEXとはいえ【不動品のジャンク時計】としての査定しか出来ません。続いて、時計の内部機械の状況を見てみましょう。(※ROLEXの時計の内部機械を見る為には、専用の工具と専門知識・実務経験が必要です。)

…これは…中身の機会が経年劣化と環境変化、定期的な内部メンテナンスもしていない事が理由で、内部機械は完全に止まっていました。
しかし、弊社では永らくの時計修理の専門知識を活かし、内部機械の汚れを取り、内部洗浄と注油、調整を行い、稼働させることに成功しました。部品の破損も無いようなので、これで、この時計は【不動のジャンク品】から「可動品」にグレードアップが出来ました。これだけでも、査定額は大きく変わります。(10万近く変わる事もあります。)

今回は、お客様のご了承を経て、当日中の1時間で以下の処置を行いました。(このお時間内で処置出来ない場合や、社内修理処置ができない場合もございます。予めご了承ください。)
① 内部機械分解洗浄と注油、調整を行い、不動品を稼働させました。

② ケースとベルトを超音波洗浄機と特殊液剤、研磨剤を用いて、サビと腐食を完全に落としました。

③ ガラスの傷も特殊洗浄と研磨で綺麗にし、傷や汚れ、腐食を完全に取りました。

④ ベルトの歪みを修正し、研磨して傷を消し、綺麗にしました。

その結果、持ち込まれたお客様も「これ、本当に私の時計ですか?」と驚かれる程に綺麗になり、社内でも「この状態なら欲しい!」という声が上がるほどになりましたので、お客様にも御満足・ご納得のいくお値段で査定する事が出来ました。

皆様ももし「こんなボロボロでも買い取って貰えるかな?」というROLEX、OMEGA、HAMILTON、BREITLING、LONGINESの時計などがございましたら、ぜひ弊社にご相談ください!