ポップアート絵画を高く売るコツは?買取査定士が見ているポイント3点
retroの絵画担当のバイヤー齊田です。
学生時代に『ギャラリーフェイク』という漫画に夢中になり、この買取業界に足を踏み入れた2000年には(当時は某ブランド日本法人のアウトレット事業部に在籍し、お客様の返品在庫や過剰在庫を中古買取業者に卸す側でしたが)自分でも中古品の売買、特に【絵画のディーラー】に憧れて、主にポップアートを扱う画廊のスタッフとしてフリーマーケットに参加したり、骨董市に出入りしたり、ドン・キホーテの絵画コーナーや仕入れを担当させて戴いたり、サザビーズ、クリスティーズ、アンティコルム、シンワアート等の国内外の美術品オークションに参加したりして『目利き』を磨いてきました。2020年からは弊社でも「絵画コーナー」を任せて頂き、日々、お客様から御相談のある絵画の査定は、すべて私が担当させて頂いています。
本日は【専門的過ぎてわかりにくいイメージ】のある【絵画の査定ポイント】と【絵画を高く買取ってもらうコツ】について、皆様にもわかりやすく解説したいと思います。
弊社では、メインとしてお取り扱いさせて頂いている絵画は専門的な油絵や彫刻品ではなく、ブランド品と同じような感覚で、お部屋をオシャレに着飾るような版画を主とした『ポップアート』になります。作家や作品はヒロ・ヤマガタやクリスチャンラッセン、アンディ・ウォホールといった代表的なものだけでなく、ピカソやマティス、藤田嗣治といった画家作品の版画からシェーンボーデンや村上隆といった、現代アート作家の作品まで、幅広く扱っております。
絵画の場合のお買取査定時に見るポイントは、主に以下の三つのポイントを重点的に見ています。
1.画家本人のサインが入った、ポスターとは違う限定作品かどうかをしっかりと確認しています。
一見、額入りのポスターと大差なく見える版画も、「画家本人の肉筆サイン入り作品」「限定印刷・販売作品」は、希少な作品の為、探しておられる方も沢山いらっしゃるので、お買取金額も高くなります。(※注意が必要なのは、一見「肉筆サイン」に見えても『印刷サイン』だったりする場合があります。上の画像が「肉筆サイン」で、下の画像が「印刷サイン」になります。)
2.その絵画の来歴が良く分かる「共シール」または「作品保証書」等をしっかりと確認しています。
私は現在、弊社取扱い絵画の買取・委託の仕入れ面も、販売面も両方とも担当させて頂いていますし、絵画の場合は、弊社販売商品の大半を占めるブランド洋服や靴、バッグや時計と違い「お客様が身に付けるもの」「流行のブランド」という物が無いので、その販売の際には「その絵画の作者と作品について」をお客様に知って頂かなくてはならないので、販売テキストがすごく重要になるのですが、その販売テキストも、私がすべて書かせて頂いています。
絵画にも残念ながら贋物は存在し、それこそ贋作問題と真贋判定にはブランド品以上の長い歴史があり、真贋判定ポイントや注意点も数多くありますが、弊社では、次にその絵画のオーナー様がその絵を大事にしてくださり、安心して飾って頂けるように「購入するお客様が安心出来る絵画」を高く査定したり、委託の際も高い販売価格を付けさせて頂いているので、この絵画の最初のオーナー様がどこで手に入れられたかが良く分かる「共シール=最初の販売店を示すシール」「作品保証書」をしっかり確認させて頂いています。(「共シール」「作品保証書」が無ければお買取り出来ない、という買取会社や画廊もあるほどです。)弊社では、共シールや作品保証書が無くとも買取や委託販売は可能ですが、無いよりは有った方が査定額も高く、委託商品も高く早く売れるので、弊社に査定・委託お申し込みの際には是非、ご一緒にお持ちください。(共シールが剥がれた場合には、ご一緒にお持ちください。)※上は手塚治虫の絵画の作品保証書、下はアンディ・ウォホールの作品保証書です。
3.額の傷、ガタつき、裏面の変色・腐食、展示ロープの状態をしっかりと確認しています。
意外に多くの方には知られていませんが『絵画の額』は、その人に合わせて作られた服と同じく、絵画に合わせて作られたり、選ばれたりしていますし、額の選び方や嵌め込み方によって、その絵画の印象は大きく変わってしまいます。中古の絵画も当然そうです。
弊社では、なるべくその絵画が発売された時の印象を大事にしつつ、次に買われたオーナー様が苦労されたり嫌な思いをされないように、額に傷みが無いか、傷や剥がれがあった場合には展示に影響が無いか、裏面に変色や剥がれや破損は無いか、今後も使い続けられるか、そのままの展示が可能か、をしっかり確認し、額・展示ロープをそのままの状態で販売するか、「額を変えてお使いください」と但し書きを書く必要が有るか無いか、を査定時にしっかり確認しています。
もし、弊社に絵画の査定を依頼される際「この額装はこんなに変色をしていても買い取って貰えるか」が御不安な際には、事前に遠慮なくお問い合わせください。皆様のご参考になれば幸いです。