時計修理のプロが動かない時計も高額買取

初めまして
株式会社retroの新規事業 兼 バイヤー担当の齊田と申します。

2005年にブランディアの設立に関わって以来、日本国内だけでなくシンガポールや中国、インド、オーストラリアの買取会社も含めると15社の買取会社に関わってきました。その中でも、一番得意としたのが時計の査定だったのですが、時計の買取査定をする際にはどうしても【現在、動いていない時計をどう査定するのか?】【買取った時計を販売する際、何をもって「この時計は大丈夫です」とお客様にお伝えするのか?】という課題があり、その解決の為に様々な努力をしてきました。

その中で、創業66年の歴史を持つ老舗時計修理会社(株)藤森商会との出会いがあり、時計の内部点検・時計修理の基礎知識を学ぶつもりが、御縁により代表を務める事になり、当然ながら修理技術力も問われるので、約10年間しっかりと時計修理について学び、経験を積み、時計修理のプロにもなれたことは、時計買取バイヤーとして非常に貴重な体験となりました。今後はその経験と見識を、retro内でも十分に活かしたいと思っています。

今回は弊社の買取の舞台裏を少しお見せする形になりますが、私がretroのバイヤー達と特にこだわっている「不動品時計の査定と再生販売」について少しお話したいと思います。

1.時計を査定する時は、型番や外観だけでなく、必ず内部機械の様子も見ます。

例えば、お客様から「GUCCIの動かない時計も査定お願いします。」と依頼があれば、通常であれば「その状態のまま査定=不動品としての査定金額をお伝えする。」となりますが、弊社ではひと手間かけて内部の機械も私が状態を確認します。

2.内部機械の状態を確認、電池も新品に交換してから査定します。

弊社では私が内部機械の状態を点検後、新品の電池に交換し、適正動作をするか、修理等は必要ないか、このまま次のお客様に譲れる状態かを「時計修理のプロの目」でもチェックします。この時計の場合は内部機械に問題はなく、電池が切れている状態のみだったので、電池交換して「動作品のGUCCI 120シェル文字盤の時計」としてバイヤーから査定をお伝えしました。当然、不動品よりも査定は高くなり、お客様からも喜んでお譲り戴けました。

3.小売販売前には可能な限り点検・外装も綺麗にして販売しています。

弊社ではお買取成立後、その商品を弊社サイトで販売する際には、私が可能な限り状態を点検し、外装も傷や汚れなどが目立つ場合には、過度に研磨はしませんが、ブランドメーカーの認証工場としても機能した経験を活かし、全体の形を変えない様に注意しながら気になる傷は消していきます。新しいオーナー様にも大事にして頂けるように。そう願いながらひとつひとつ販売前の時計を点検しています。

※編集注記:査定時の内部点検・電池交換は査定依頼者様に許可を頂いた場合のみ行っております